皆さんがあまり意識のしない所でかなりの効果が持続している便器の開発秘話をここに添付致します。

 

ここまで開発者が頑張ってくれたから今の私たちがいる事がわかります。

トイレ最高っ!!

 

1999年に「セフィオンテクト」という防汚技術が誕生してから、今年で10年。普段はあまり意識することは少ないかもしれませんが、今ではTOTOの便器のほとんどにその技術が用いられています。トイレのお掃除を格段にラクにしてくれた、その開発秘話を今回はお伝えします。

 

1999年に「セフィオンテクト」という防汚技術が誕生してから、今年で10年。普段はあまり意識することは少ないかもしれませんが、今ではTOTOの便器のほとんどにその技術が用いられています。トイレのお掃除を格段にラクにしてくれた、その開発秘話を今回はお伝えします。

O157の発生を機に、
トイレの「抗菌」の研究・開発が始まった

ほんの数十年ほど前、トイレは「ご不浄」などと呼ばれ、家の隅っこに位置する暗ーい存在でした。しかし住宅の建て替えや現代的なマンションの建築とともに、毎日使うトイレの存在も見直されてきました。 そして、1996年頃のO157による食中毒事件の発生により、「抗菌」がクローズアップされ、文具や家電、建材に至るまで、さまざまな分野で「抗菌製品」が作られるようになりました。トイレにもその波はやってきたのです。衛生的であることはもちろん、さらに「臭わない」「汚れない」トイレの研究・開発が始まりました。

かつてはトイレ全体がタイル貼りで、排水溝のある構造が多く、水を流して丸洗いするのが一般的でした。ただ、最近では床がフローリングになっているなど、居室に近いトイレが好まれるようになり、以前のようなタイプは少なくなりました。そのため、より“キレイな”トイレが望まれるようになったのです。

自然光が降り注ぐリゾートのような空間など、いまやトイレは「家の中でもっともくつろげる空間」になりつつあります

1年で結果を出す!?
「便器を造っては壊し」の毎日が続く

トイレのインテリア例。トイレの概念を超えた和モダンの空間です

1998年のお正月明けにスタートした新プロジェクト、それは「衛生的で、臭わない、汚れにくい便器を造る」というもの。そして10人ほどのチームに課せられた命題は、「1年後には結果を出す」こと。たった1年で開発とコンセプト作りを進めるのは、とても厳しいことでした。

開発がスタートし、便器を造っては壊し、壊してはまた造るという日々が始まりました。その数、半年の間に何と2000個!開発スタッフの苦労が目に浮かびます。

「抗菌」を突き詰めていくうちに、
「汚れない便器」を追求し始める

研究が進み、抗菌技術が向上しても、必ずしもその効果が持続しない現場があることに気付いた開発チーム。彼らは「ナゼ?」を突き詰めていきました。
便器(陶器)は、水が染み込まないようにするため、また光沢を出すために、釉薬で覆われています。従来の便器は、水や洗剤でそれが徐々に劣化し、ざらつきが出てしまうことがわかりました。便器の汚れがとれなくなるのは、そのざらつきに目に見えない汚れが溜まることが原因だったのです。
便器は通常は数十年使うもの。肉眼では滑らかに見えても、年月がたつうちに微生物が棲み付く環境が生まれていたのです! そして「汚れが付かない状態をキープする」ということが、次の目標になりました。

セフィオンテクト加工をしていないタイル(左側)と、しているタイル(右側)。目には見えない違いですが、こうしてタイルに鉛筆で書くとはっきりとわかります。セフィオンテクト加工をしているタイルはナノレベルで滑らかなため、10年たっても鉛筆で書きにくいのです

汚れが付かないようにするために、究極の滑らかさを持続する。この「平滑性の維持」をテーマに、さまざまな実験が行われました。このときに考え出されたのが、新種の釉薬「セフィオンテクト」でした。右写真はその加工をしているものと、していないものの実験結果です。


                   ついに新技術が! 次ページへ